1.葉の好みを調べる実験

[実験の目的]

 ダンゴムシが好む樹種を視覚的に比較し確認する。

[準備物]

 ・ダンゴムシ(10匹程度) ・複数種の枯葉    ・ハサミ
  ・ポリエチレン板      ・複数個の飼育容器  ・消毒した砂
   ・デジタルカメラ

 [方法]

(1)枯葉を採集し、水分を与えるため水に1時間程度漬けておく。枯葉はサクラ、ツバキ、カシ類、アオギリ、クロマツなど何でもいい。葉の堅さ、厚みなどを基準にしてあらかじめ予測を立てておく。

(2)水に漬けておいた枯葉から一定な大きさの切片(たとえば25mm四方)をハサミで切り取る。耐水性のある薄板(シールバットの蓋に使われているポリエチレン板などが適している)から25mm四方の四角形を切り取っておく。この板を枯葉にあてがいながら切り取ればよいだろう。葉のどの部位を選ぶかにより影響を受けるため、どの樹種についても葉の先端付近の主脈を含む部分を切り取る。

(3)用意した樹種と同じ数の飼育容器を準備し、その底に少しだけ砂を入れる(厚さ5mm程度でよい)。砂にスポイトで水をまき、容器内の水分を保つようにする。砂の代わりにろ紙を用いた場合、ダンゴムシがろ紙を摂食する可能性があるので、好ましくない。

(4)各容器に四角に切り取った枯葉を一枚ずつ入れ、ダンゴムシを複数匹放し、軽くふたをする。直射日光のあたらない場所に保管する。ダンゴムシは主に夜間に摂食を行う。

(5)1日後、食べ残された枯葉切片を回収し、一枚の白紙の上に並べ、摂食量の違いを比較する。結果はカメラで記録する。コピー機やスキャナーに並べて記録してもよい。

[結果の一例]

 京都市伏見区にある京都教育大学構内から、アオギリ、クスノキ、クロマツ、サクラ(ソメイヨシノ)、ツバキ、フウ、マテバシイ、モウソウチクの枯葉を採集し、上で述べた方法と同様の方法で実験を行い、以下のような結果が得られた。体長1116mmのダンゴムシを10匹ずつ入れ、24時間後に摂食量を比較したものである。ただし、アオギリはほぼ完全に食われたため、除いてある。また、クロマツとモウソウチクについては、葉の形状から四角形に切り取ることができないため、適当な大きさに切って与えている。
 写真のように、フウ、モウソウチク、サクラがよく食われ、クロマツやマテバシイはほとんど食われていない。薄くて柔らかい葉がいいようである。



     

実験のメニューページに戻る