3.「生態系におけるダンゴムシの役割」を確かめる実験

[実験の目的]
  
 ダンゴムシは都市部における代表的な落葉食者であり、ダンゴムシの存在が、陸上生態系における物質循環に寄与していることを確認する。

[解説]

 植物は光合成および根から吸収した養分(無機化合物)により生産活動を行っている。地上に落ちた枯葉は、土壌表層にいる様々な小動物たちに摂食される。その結果、落葉は細かく粉砕され、あるいはまた動物により糞として排出される。この粉砕物や糞は、菌類・バクテリアに利用され、最終的に無機物へと変えられ、再び植物に吸収される。
 分解者である微生物(菌類・バクテリア)は、枯葉を直接利用するよりも、ダンゴムシによって細片化された葉や排出された糞を利用した方が効率がよい。ダンゴムシの糞中には多種類のバクテリアも存在し、また細片化されることで枯葉の表面積も増加するためである。すなわち、ダンゴムシの存在が枯葉の分解促進に貢献しているのである。

[準備物]

 ・ダンゴムシ(容器サイズによるが各容器に数匹程度)  ・サクラの枯葉  ・円筒容器(直径10cm、深さ10cm程度)
 ・消毒した砂(または石英砂)  ・デンプンのり注)  ・スポイト  ・ピンセット  ・試験管  ・ヨウ素溶液


  注)デンプンのりは馬鈴薯デンプンを用い、2%水溶液にし、粘りが出るまで加熱すると、デンプンが数日間は分離しない。

[実験方法]

(1)実験中の摂食を活発にするため、実験を始める前の2日間程度餌を与えないで絶食状態にする。
(2)円筒容器に厚さ5mm程度の砂を敷き、約3mmの水で砂を万遍なく湿らせる。
(3)四角に切り取ったサクラの枯葉を容器内の砂の上に置き、ダンゴムシの餌とする。なお枯葉は事前に十分水を含ませておく。
(4)各容器に絶食を終えたダンゴムシを5匹ずつ入れる。また対照実験として、ダンゴムシを入れないでサクラの枯葉だけを入れた容器も用意する。
(5)ダンゴムシを入れてから2、3日後(枯葉が十分摂食された頃)に、容器からダンゴムシを取り出したあと調整しておいたデンプンのりを20mlピペットで入れる。同様に、枯葉だけが入った容器にもデンプンのりを同量入れる。
(6)デンプンのりが入った容器に軽く蓋をし、常温で2、3日間放置する。
(7)2、3日後、デンプンのりをピペットで吸い取り、試験官に移した後、ヨウ素溶液を滴下してヨウ素デンプン反応を調べる。








[中学校における実践例]

                     
実験開始4日目。左端の2個は対照区
       

軽く蓋をして飼育                                      ダンゴムシを除去した後
                                                   デンプンのりを入れる






ヨウ素デンプン反応の結果。各容器の後ろ側に試験管を寝かして置いてある。左端は何も入れていない容器。
左から2個目は対照区。摂食量の多い(すなわち糞量も多い)容器ほどデンプン残量が少ないことに注目。


[留意点]
 バクテリアの活動は温度により大きく影響を受けるため、いつの季節に実験を行うかにより結果がことなってくる。上の実践は11月上旬に行ったものである。容器に入れるダンゴムシの個体数や摂食期間を決めるため、予備実験をしておくことが必要である。

                       
(本項の[準備物]以下は中村健也が担当。実践校は堺市公立中学校)



                                                 


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