フィットネス学習のめざすもの

フィットネス学習は体力つくりではなく、生涯にわたる自立的・効果的な身体活動実践者になること


1.
フィットネスの重要性や現代社会とフィットネスとの関わりがわかる

2.フィットネスについての基本的知識を持つ

3.自己評価や目標設定,計画など,実践スキルを身につける

4.運動の楽しさや爽快さを味わう

5.運動へ動機付けられ、活動的な日常生活をおくるようになる

フィットネス教育のねらい
 フィットネス教育の代表的な提唱者であるCorbinは,Fitness for Lifeなど,フィットネスに関する知識や理解を中心においたプログラムを開発している.Corbinは,人々がフィットネスにおいて自立するための様々な知識とスキルを獲得していく過程を下図のような「生涯にわたるフィットネスへの段階的目標」として示している.第1,第2段階は,日常的な運動を楽しく継続することによってフィットネスが高まった状態ではあるが,「依存の段階」であり,指導者によって与えられたプログラムをこなしていく状態を指している.第3段階では,各個人が自己に適切な身体活動を選択し,フィットネスレベルを自己評価する能力を育て,第4段階は,自分に応じたフィットネス活動を計画し,問題解決を図る力がつく段階である.このステージは「意志決定の段階」と解釈できる.さらに第5,第6段階は,生涯にわたって活発な身体活動を実践しフィットネスを獲得する「独立の段階」であり,このプログラムは最終的にこのステージを目指すものである.

従来の「体力づくり」は,第1,第2段階までの指導者依存のプログラムであったのに対し,Fitness for Life プログラムはむしろ,この上の段階を目指すものである(AAHPERD, 1989 ; Corbin and Lindsey, 1997 ; Corbin, 1994).つまり,Fitness for Lifeなどの新しいフィットネス教育プログラムは,学習者が自立的に意志決定を行い,計画,実行,評価できる
セルフマネジメントスキルを高めることのできる力を高めることを目的としていると言えるだろう.