アリジゴクとは?

 

 「アリジゴク」とは脈翅目(別名:アミメカゲロウ目)ウスバカゲロウ科の幼虫を指します。しかしときには、彼らがつくるすり鉢上の巣穴そのものを指す場合があります。ウスバカゲロウ科の近縁グループに、クサカゲロウ科というのもあります。このように「カゲロウ」という言葉が使われているため、正真正銘のカゲロウとよく混同されますが、まったく別な昆虫群です。カゲロウは幼虫時代水の中にすみ、藻類などを食べる草食性昆虫で、その成虫は寿命が大変短いことから、「はかなさ」を表す代名詞に使われたりしますが、ウスバカゲロウ類は幼虫・成虫とも肉食性の昆虫で、成虫の寿命も決して短くはありません。

 アリジゴクそのものを見たことがある人はそれほど多くはないと思いますが、その名前はよく知られています。これは、彼らがつくる巧妙な罠(トラップ)のせいでしょう。巣穴を掘ってその底でじっと餌を待つ。そうです。アリジゴクは典型的な「待ち伏せ型捕食者」なのです。

 私が調べてきたことや撮影した写真をもとにアリジゴクの世界をご紹介しましょう。

 

            ハマベウスバカゲロウ