写真1 できあがった木製台と滑り台
遊具について
遊び場の真ん中に適度な大きさの台があると、滑る、登る、くぐるなどの動きが自然に出てきます。友達の動きを見てまねをしたり、声をかけあったり互いにかかわる行動もまた自然に出てきます。これは、公園などで子供たちが遊んでいる様子を見れば一目瞭然の事柄です。
しかし、市販の滑り台やブランコなどの遊具は、高額です。更に、幼児を対象として作られており、少し体の大きくなった一人ひとりの児童に対応しきれていません。そこで2×4材を使って遊具を作ることを試みてみました。
2×4材は、
DIYの考え方の普及で、身近なホームセンターで2×4材や接合金具そしてジグソーや電動ドリルなどの工具が、安価で簡単に入手できる状況があります。
2×4材は、接合金具とあわせて大きな遊具の構造材として使えます。
2×4材や接合金具の工作は、鋸・電動ドリル・コーススレット・木工ボンドででき、誰でもできる気軽さがます。
などの点で優れています。
ここでは、遊びの核となる木製台を2×4材を用いて制作し、その制作の要点と制作した遊具をネット上で公開したいと思います。
核となる台を作る。・・・・・ウッドデッキ感覚で
1.ジグソーで大量カット
大人がカットする場合は、ジグソーが便利で安全です。丸鋸は、安全性の観点からおすすめできません。お金がある場合は、ホームセンターでカットしてもらってもよいですね。1カット20円ぐらいです。カットしてもらえば、乗用車でも材を運べます。
写真2 ジグソーでカット
材のカットは、側面の凸凹を気にしなければ、子供と一緒に鋸で切っても楽しいですね。ウッドデッキなどで、天板同士の間に大きな隙間ができたときは、木工ボンドにアクリル絵の具を混ぜて色を付けて充填すれば見栄えも良くなるし、安全性も高まります。隙間に、あらかじめ、ダンボール紙、新聞などを詰めておきその上に充填材を流し込むと、充填材の節約と作業が簡単で速くなります。
写真3 隙間の充填
2.天板をつける。 電動ドリルとコーススレットで楽々接合
電動ドリルで下穴あけておきましょう。いきなりコーススレットをねじ込むと材が割れます。装着式の菊座ぎり(木ねじを打ち込む前にあらかじめ,頭の部分が入るように,削っておく工具)があるとの頭もきれいに入って、安全で見た目もきれいです。ドライバービットを電動ドリルに装着してコーススレットで接合します。
写真4 電動ドリル コーススレット 菊座切り
写真5 下穴あけ 写真6 ねじ込み
天板は、ウッドデッキと同じで必ず隙間を作って雨に濡れても水が流れ落ちるようにしましょう。
この部分も、コーススレットを使わずに児童と釘で接合できます。釘が打ちやすいように子供に合わせて下穴をあけておくと、とても楽しい「とんとん遊び」ができます。
3.支柱を作ろう。
90mm×90mmの角材は支柱として十分ですがカットなどの扱いが大変です。そこで45mm×90mmを2枚張り合わせて90mm×90mmの角材にしてみました。接合面に木工ボンドを塗ってコーススレットで接合、手軽に90mm×90mm角材ができます。
更に、90mm×90mm角材は、ホームセンターで売られている2×4束石にすっぽりはまります。
写真7 束石と2枚合わせした2×4材
4.上板と支柱の接合
この部分は、強度が要求されます。金具を使ってしっかり固定しましょう。更に強度アップが必要なときは筋交いや横板をつけます。
写真8 金具
5.地面の整地
遊具を置く場所の整地というと、場所全体をほぼ水平にしなければ、・・・と考える人もおられるかもしれません。実際には、束石が置かれる場所だけで十分です。束石を4個置いて、その上に2×4材を置いて水準器で水平を取ります。水準器ない場合は巻き取り式のメジャーに附属している簡易な水準器で十分です。土台となる場所は後で台を乗せる時のために束石の幅+5cmほどの余裕を持っておきましょう。
板を乗せるとき、設置場所まで運ぶときは、まず、力持ちを集めましょう。4人いると作業がはかどります。
磨きと塗装、2×4材は既に磨かれているので、この用途では全体を磨く必要はないと思います。材の端のほうがささくれている場合など、削り、磨いておく必要があります。塗装は、水性の防腐剤がお勧めです。水性でも塗るときには、部屋の窓を開け風通しよくしておきましょう。屋外に設置してから天気がよい日に一気に塗ってしまうのがお勧めです。
6.安全性の確保
安全のために、大人が乗って、揺らしたりして常に強度確認をしましょう。日常的に子どもが遊ぶ様子を観て、こちらも同じ動きをして安全性を確保することが大切だと思います。
子供と一緒に作るということ
カットは、鋸ということになりますが、材がやわらかなので、小学生でも高学年ぐらいになるとカットできる子が増えてくると思います。「作業学習」や「木を切る遊び」など木を対象とした学習活動の導入段階に最適だと思います。もちろん、正確な鋸引きを期待するのではなく、鋸の切削感を楽しむ。結果として切れた材が、使われていくという視点ははずせません。
同じように、釘打ちも、釘がとんとん打つと入っていく感覚に人気があります。釘打ち遊びも楽しいのですが、結果として遊具ができるというのがよいですね。大きな積み木遊びといった感じでしょうか。
今回ご紹介した、遊びの核となる木製台は、児童が上に乗ることを想定したある種建物に近い物でしたので、敷居が高いと感じられた方もいるかもしれません。もう少し簡単な物、例えば、2×4材性の木の積み木などいかがでしょう。子どもが扱いやすい大きさを考えその子だけの積み木の作成も可能です。安価で加工しやすい2×4材は、自作遊具・教具に多くの可能性をもたらしてくれるだろうと考えています。