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■ 仕事のポイント 好奇心と探究心で、人と接し情報を収集 | ![]() |
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世界で一番新聞を読んでいる国は日本です。 世界で一番発行部数が多い新聞も日本の新聞です。 いつでも情報が取り出せるインターネットが普及しても、情報を一度に見られ、見出しの大きさによって比べて読める新聞は、インターネットとは違った魅力をもっています。 新聞記者は根気よく取材をして、記事を書きます。毎日 いくつもの記事が新聞社に集められて紙面づくりが行われます。読者に伝えるために、どのように記事をあつかうか、どれくらいの見出しにするか、間違った表現や文字はないか、いろいろな編集作業などを経て届けられる新聞は、何人もの人がかかわってつくりあげます。 日々、締め切りに追われる新聞記者高橋幸子さんに、新聞記者の仕事についてお聞きしました。 ※発行部数世界一の新聞は、インターネットで調べてください。 |
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■ 新聞記者って、どんな仕事? 街中で起きている出来事を新聞に載せるため、毎日取材して記事を書くのが仕事です。新聞記者は政治や経済、世界や社会の動き、事件・事故、生活文化など、それぞれの担当別に取材して事実を読者に伝えます。事実を伝えるためには、その出来事が起こった場所に行って、直接当事者に話を聞く必要があります。文章を書く力だけではなく、人と話すこと、好奇心をもってものごとをしっかりと見ていく力、そして正義感や責任感、バランス感覚なども必要になってきます。 |
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■ 話を聞いた人![]() 高橋幸子(たかはし・さちこ) 1982年、宮城県仙台市生まれ。 趣味は読書と旅行。好きなものはおいしいごはんと献血と美術館。「休日は料理とランニングをして過ごします」。 |
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●新聞記者になったきっかけは?
大学の就職活動で登録していたマスコミ志望のメーリングリストで、募集要項を見つけて応募しました。もともと好奇心が旺盛で、いろんな世界を知りたいと思い新聞記者を志望しました。
●どうやって仕事を覚えていくのですか?
新人のころは、上司の取材に同行させてもらい、横でやりとりを見聞きさせてもらいながら勉強しました。取材の仕方や話題の切り出し方、質問事項、事前に準備すべきこと、写真の撮り方などは現場で学びました。
入社して1ヵ月が経ったころ、同行取材で聞いた話を自分で構成して記事を書く機会をもらいました。書いた記事が紙面に大きく掲載され、取材先の企業から読者の反響があったと連絡をいただいたときはうれしかったです。
●これまでの仕事で、印象深いものがあれば教えてください。
上場企業の社長など、通常では会えない方とお話しするときは、緊張もしますし、印象に残ります。とくに覚えているのは、話題の本の著者に直接お会いして、執筆の背景や考え方などを聞いたことです。インタビュー記事として本を紹介したのですが、1年目の仕事のなかでは一番思い出に残っています。
●仕事に行き詰まったときはどうやって乗り越えますか。
いくつもの記事を同時並行で進めているので、行き詰まった仕事からいったん離れて、違うテーマに取り組みます。同じ仕事を続けないようにしますが、原稿には締め切りがあるので、それに間に合うよう計画を立てておくことが大事です。先輩や上司のアドバイスを受け、視点を変えることで新たな発見があるのです。
●新聞記者になって、気付いたことはありますか。
世の中にはいろんな職業があり、さまざまな人がいることがわかりました。また、ものごとを見る場合は、角度によって見え方も異なることを知りました。
新聞は世の中に大きな感動や影響を与えますが、一方ではプライバシーや人権の問題などもつきまといます。興味本位ではなく相手の立場に立った、真実を伝える姿勢が記者には必要です。
それがわかったとき、自分もこれでいいんだと自信が持てるようになりましたね。これからも多くの人と出会って、広い世界を知りたい。その経験から得たものを、紙面を通じて読者に伝えていきたいです。
●記者として身につけたい能力は何ですか。
人前で話す力と、日本語と英語の語学力。仕事は体が資本なので、健康維持にも体力が必要。取材では質問で記事の内容が決まるので、質問力も大切です。例えば「○○さんはこう言いました」と表面的に伝えるのではなく、その発言の裏にある事情や背景を考え、質問ができる知識です。
●中学生のみんなへアドバイスをお願いします。
中学生のころは、今の仕事につくとはまったく思っていなかったのですが、本はたくさん読んでおけばよかったと思います。古典や現代作家のもの、ノンフィクション、マンガなど何でもいいんです。今はテレビやインターネット、携帯電話などで多くの情報が得られますが、本はまとまった知識を得るには最良のツール。あふれる情報から本物を見分ける力をつけるためにも、本を読む習慣をつけてください。