西田の円

直径1の円に
接し互いに接している直径 1/2 の円を画く
三つの円に接している円を2つ描く
順に接している円を画いて左の図をえる

問題

ここに登場するするすべての円の直径は
整数分の1 である。

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図の構成

直径1の円と
直径 1/2 の二つの円の隙間に
接する円を二つ描く
左の図の隙間に
接する円を6個描く
第一世代の円ということにする
左の図の 18の隙間に
接する円を18個描く
第二世代の円ということにする
18×3 の隙間に
それだけの円を画く
第三世代の円ということにする
18×3×3 の隙間に
それだけの円を画く
第四世代の円ということにする
18×3×3×3 の隙間に
それだけの円を画く
第五世代の円ということにする
世代ごとに色分けしました
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図の描き方


反転を利用して描きます

図形は上下対称なので、上半分だけ描いていきます
A を中心として長さ AB に関する反転を考える
ここでは、これを単に反転ということにする。
C の反転を F とする。このとき
AB を直径とする円の反転は
B を通り AB と直交する直線に移る
AC を直径とする円の反転は
F を通り AB と直交する直線に移る
黄色い円同士は互いに他の反転である
二直線の間にある黄色い円を
その円の直径分だけ上に平行移動する
二円の間にある青い円が得られる
その円の反転して円 C 内の青い円が得られる。
この円は円 C, 円 D, 円 E に接する円である
二直線の間にある青い円を M
円内にある青い円を K
とおく。
K と M は互いに反転である
円 C 内の黄色い円 K
二本の平行線内の黄色い円 M に対して
その三つの子を定義しよう。
M を上方に 1 平行移動した円(青い円)を
M1 とおき、M1の反転を K1 とおく。
(K1 は円 C 内の青い円)
K1 の対称円を K2 とおく
(K2 は円 C 内の空色の円)
K2 の反転を M2 とおく
(M2 は平行二直線内の空色の円)
M2 の対称円を M3 とおく
(M3 は平行二直線内の緑の円)
M3 の対称円を K3 とおく
一般に円 C 内にあり円 D 外にあるの円 K* に対して
その反転を M* とする。

M* を上方に 1 (AB の長さ)だけ平行移動した円を
M*1 とおく
M*1 の反転を K*1 とおく

C を通り AB と垂直な直線に対して
K*1 と対称な円を K*2 とおく
K*2 の反転を M*2 とおく

平行な二直線の真ん中の線に対して
M*2 と対称な円を M*3 とおき
M*3 の反転を K*3 とおく

K*1, K*2, K*3 を K* の子という
M*1, M*2, M*3 を M* の子という

M* は K* の反転
M*1 は M* を上方 1 平行移動したもの
K*1 は M*1 の反転
K*2 は K*1 の対称円 (円内での)
M*2 は K*2 の反転
M*3 は M*2 の対称円 (平行二直線内での)
K*3 は M*3 の反転
円 C 内の円のうち
黄色い円は K1
青色の円は K11
空色の円は K12
緑色の円は K13

二直線内の円のうち
黄色い円は M1
青色の円は M11
空色の円は M12
緑色の円は M13

円 C 内の円のうち
黄色い円は K2
青色の円は K21
空色の円は K22
緑色の円は K23

二直線内の円のうち
黄色い円は M2
青色の円は M21
空色の円は M22
緑色の円は M23

円 C 内の円のうち
黄色い円は K3
青色の円は K31
空色の円は K32
緑色の円は K33

二直線内の円のうち
黄色い円は M3
青色の円は M31
空色の円は M32
緑色の円は M33

円 C 内の円のうち
黄色い円は K12
青色の円は K121
空色の円は K122
緑色の円は K123

二直線内の円のうち
黄色い円は M12
青色の円は M121
空色の円は M122
緑色の円は M123

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解説


A を原点とし B を (1,0) とする座標を入れる。

座標 (a,b) の点 P を中心とし半径 r の円の反転を考えよう

s = a2 + b2 - r2
とおく。今 s > 0 とおく。
(p,q) を 円 P の点とすると
m = p2 + q2 とおくと
(p,q) の反転は (p/m,q/m) である。
(p,q) を 円 P の点なので
(p-a)2 + (q-b)2 = r2
である。
よって
2ap + 2bq = p2 + q2 + a2 + b2 - r2 = m + s
である。
((p/m - a/s)2 + (q/m - b/s)2 - (r/s)2) (sm)2
  = (sp-am)2 + (sq - bm)2 - (rm)2
  = s2(p2+q2) - 2sm(ap + bq) + m2(a2 + b2 - r2)
  = s2m - sm(m + s) + m2s = 0
なので
(p/m - a/s)2 + (q/m - b/s)2 - (r/s)2 = 0

(a,b) を中心とし半径 r の円の反転は
s = a2 + b2 - r2 とし s > 0 のとき
(a/s, b/s) を中心とし半径 r/s の円である。

この互いに反転となっている二つの円に対して
(1/r, a/r,b/r,s/r) を考える。
(a/r)2 + (b/r)2 = (a2 + b2)/r2 = (r2 + s)/r2 = 1 + (1/r)(s/r)
に注意しておこう
V = {(α, β, γ, δ)|α, β, γ, δ は実数で、α > 0, δ > 0, β2 + γ2 = 1 + αδ}
とおく。

(α, β, γ, δ) が V の元のとき
r = 1/α, a = β/α = rβ, b = γ/α = rγ とおき
s = a2 + b2 - r2 とおくとき
s = r22 + γ2 - 1) = r2αδ = rδ
となり
r/s = 1/δ, a/s = β/δ, b/s = γ/δ になる。
以上の議論より
(α, β, γ, δ) が V の元のとき
(β/α,γ/α) を中心として半径 1/α の円の反転は
(β/δ,γ/δ) を中心として半径 1/δ の円である
左の図において
円 C 内の黄色の円は
中心が (3/4,0) で半径が 1/4 の円である
(3/4)2 + 02 - (1/4)2 = 1/2
(1/2)/(1/4) = 2, (3/4)/(1/4) = 3
である。
黄色い二つの円に対応するデータは
(4,3,0,2) である。
大きいほうの黄色い円はこのデータより
中心が (3/2,0) で半径が 1/2 の円である。
円 M は大きい黄色の円を上方に 1 だけ平行移動したものなので
それは (3/2,1) で半径 1/2 の円である。
(3/2)2 + 12 - (1/2)2 = 3
3/(1/2) = 6, (3/2)/(1/2) = 3, 1/(1/2) = 2 なので
円内の青い円 K 及び M に対応するデータは
(6,3,2,2) である。 K は (1/2,1/3) を中心とし半径 1/6 の円である。

W = {(α, β, γ, δ) ∈ V|α, β, γ, δ は 整数で、α , δ は正の偶数とする}
とおく。

K と M に対応するデータは W に属している
次を示す。
円 K* とその反転円 M* を考える
  K*1 と M*1 のデータは W に属する
A K*1 と M*1 のデータが W に属するとき
  K*2 と M*2 のデータは W に属する
B K*2 と M*2 のデータが W に属するとき
  K*3 と M*3 のデータは W に属する

@ の証明
円 K* とその反転円 M* に対応するデータを
(α, β, γ, δ) として、それが W に属しているとする。
β2 + γ2 = 1 + αδ
である。
M* は中心が (β/δ,γ/δ) で半径が 1/δ の円である
M*1 は M* を上方に 1 平行移動したものなので
M*1 は中心が (β/δ,γ/δ + 1) で半径が 1/δ の円である
(β/δ)2 + (γ/δ + 1)2 - (1/γ/δ)2 = α/δ+1+2γ/δ
(α/δ+1+2γ/δ)/(1/δ) = α + δ + 2γ
なので
K*1 と M*1 に対応するデータは
( α + δ + 2γ, β, γ + δδ)
これは W に属している。

A の証明
円 K*1 とその反転円 M*1 に対応するデータを
(α, β, γ, δ) として、それが W に属しているとする。
β2 + γ2 = 1 + αδ
である。
K*1 は中心が (β/α,γ/α) で 半径 1/α の円である
従って K*2 は中心が (1-β/α,γ/α) で 半径 1/α の円である
(1-β/α)2 + (γ/α)2 - (1/α)2 = δ/α + 1 - 2β/α
(δ/α + 1 - 2β/α)/(1/α) = δ + α - 2β
なので K*2 と M*2 に対応するデータは
(α, α - β,γ,δ + α - 2β) で、これは W に属している
B の証明
円 K*2 とその反転円 M*2 に対応するデータを
(α, β, γ, δ) として、それが W に属しているとする。
β2 + γ2 = 1 + αδ
である。
M*2 は中心が (β/δ,γ/δ) で半径が 1/δ の円である
M*3 の定義より
M*3 は中心が (3-β/δ,γ/δ) で半径が 1/δ の円である
(3-β/δ)2 + (γ/δ)2 - (1/δ)2 = α/δ + 9 - 6β/δ
(α/δ+9-6β/δ)/(1/δ) = α + 9δ - 6β
なので
K*3 と M*3 に対応するデータは
( α + 9δ - 6β ,3δ - β, γ, δ)
これは W に属している。

以上より次のことがわかる。

K と M の子孫に対応するデータは W に属している。
従って K*, M* を K, M の子孫の円とすると
K* の半径は 1/偶数であり直径は 1/整数である
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元のデータ (4,3,0,2)

K のデータ (6,3,2,2)

K1 のデータ (12,3,4,2) 青色の円
K2 のデータ (12,9,4,8) 空色の円
K3 のデータ (30,15,4,8) 緑色の円

である。
K1 のデータ (12,3,4,2)

K11 のデータ (22,3,6,2) 青色の円
K12 のデータ (22,19,6,18) 空色の円
K13 のデータ (70,35,6,18) 緑色の円

である。
K2 の子たち K21, K22, K23
K3 の子たち K31, K32,K33
K11 の子たち K111, K112, K113
K13 の子たち K131, K132,K133
K113 の子たち K1131, K1132, K1133
K1113 の子たち K11131, K11132,K11133