[実験方法]
(1)ダンゴムシを採集し、実験開始前まで2日間絶食させ、消化管内容物を排出させる。
(2)枯葉を1日間水に漬け、水分を十分含ませておく。
(3)ほぼ同量の砂を各容器に入れ、ダンゴムシ20匹と枯葉1枚を入れた容器(「ダンゴムシ区」と呼ぶ)、枯葉1枚だけ入れた容器(「枯葉区」と呼ぶ)、どちらも入れない砂だけの容器(「対照区」と呼ぶ)を1セットとして準備する。
(4)上記の容器を2週間精置し、ダンゴムシに枯葉を食わせる。
(5)2週間摂食させた容器からダンゴムシをピンセットで除去する。容器の底には、ダンゴムシの糞や食べ残した枯葉が残っているだろう。
(6)ダンゴムシの除去後、各容器に貯め置きの水道水を150mlずつ加える。それぞれの容器にウキクサの葉状体を1枚ずつ入れ、窓際の明るい場所に置く。日当たりの条件をできるだけ均等に保つため、ときどき容器の位置を入れ替える。
(7)各容器に浮かんだウキクサ葉状体の数を一定間隔で記録する。またそのとき、蒸発して少なくなった水を補うため、適宜水を補給する。
(8)ウキクサの増殖量に十分差が出た時点で実験を終える。
[準備物]
以下は容器3個を1セットとした場合である。できれば複数セットを用意した方がよい。
・ダンゴムシ(各容器に20匹程度) ・広葉樹の枯葉(サクラ、ケヤキ、アオギリなどの薄手の葉)
・石英砂(または加熱で消毒した砂) ・円筒容器(3個、直径10cm、深さ5cm程度)
・ウキクサ(葉状体を3枚)
実験開始時のウキクサの葉状体。ウキクサでは葉と根が一体化しているため葉状体と呼ばれる。分化し始めた葉の長さが元の葉の半分を超えたとき、「1枚」増加とみなした。
実験開始後7週間たった時点での
「ダンゴムシ区」(上段)・「枯葉区」(中段)
「対照区」(下段)におけるウキクサの増殖の
様子。ダンゴムシの糞と食べ残しがある