ダンゴムシの採集の仕方と飼い方
1.効率よく集める方法
地面付近に沢山いるので、わざわざ解説するまでもないかもしれません。経験したことを踏まえて、短期間で効率よく採集する方法をご紹介します。
採集時期は春から晩秋までの長期に渡って可能です。曇りや雨模様の日は日中も地面を歩いていますが、基本的にダンゴムシは夜行性です。ですから日中に彼らを沢山集めるには、プランターや植木鉢の裏側、堆積した枯葉・枯れ草の下側を見れば、高密度に集まっています。特に、舗装された道路の端に集積した枯葉の下はねらい目です。スコップや棒切れで枯葉の山を移動させれば、数十匹のダンゴムシが集まっていることもあります。平らなコンクリートをこするようにしてダンゴムシを一度に沢山すくい取ることができるでしょう。
ダンゴムシのオスとメスの見分け方は、腹面を拡大して観察し、ペニスの有無で確認するのですが、大型個体ならば、体色でも見分けることができます。灰黒色がオス、少し黄色みを帯びた色の薄い方がメスです。
2.飼い方
ダンゴムシは鋭い爪をもっていないため、垂直面を歩くことは苦手です。しかし、コンクリートや樹皮は引っかかりがあるためか自由に歩き回っています。ですから内側がなめらかなプラスチック容器が適しているでしょう。ただし、通気性をある程度保つためフタで密閉しないことです。
研究室では、プラスチック製バットに枯葉を適当量入れ、その上にダンボール紙をおいてフタをしています。餌には枯葉を与えますが、サクラやフウ、アオギリといった薄手の葉で、腐食の進んだ枯葉ほど好んで食べます。
水分調節は、一日一回スポイトなどで水を適当量滴下したり、霧吹き(あまり細かい水滴よりも水鉄砲のような出方の方が水持ちがよい)で枯葉を湿らせたりして調節します。少々の乾燥には彼らは耐えますが、3、4日が限度です。
ダンゴムシが死亡したときは、できるだけこまめに除去しましょう。特に容器内が湿りすぎている場合、ダンゴムシの死骸に線虫が無数に取り付き(「観察のコーナー」参照)、それが発生源となって他のダンゴムシに感染し、容器内の全ての個体が死滅することになりかねません。
線虫が取り付いた死骸からは臭い異臭が出てきますので、その場合は、容器内の全ての個体を隔離する必要があります。線虫が小さすぎて肉眼では見えませんので、感染している可能性があるからです。
ですから、ダンゴムシを大量に飼育する場合、複数の飼育容器を用意した方がよいでしょう。