日本(東アジア)
歌舞伎の黒御簾音楽で「時計」とも呼ばれて各種の効果音を出すために使われている。一定速度で回すと時計の刻みにも聴こえる。このように弾力のある弁を歯車を使って連続的に弾く音具は「ラチェット」と呼ばれる。レオポルド・モーツァルト作曲の《おもちゃのシンフォニー》にも同種の音具が使用されている。
間接打奏
竹製 /本体全長22.8cm / 外径 3.2cm
カタカタ
歯車を使って竹弁を連続的に弾くラチェットの仲間。弾力のある竹片をギザギザの木面とこすり合わせる点ですりざさらと同じ構造だが、すりざさらは竹片の方を移動させるのに対し、これはギザギザのある歯車の方を回転させて竹片を弾く点で異なる。
左手で竹管を持ち右手で取っ手を回すと、木の歯車が回転して竹の弁を弾き音が出る。左手で持つ管の位置を、高くするとこもった音色に、低くすると開放的な音色になり、また弁の長さを変えることになるので音高も変わる。管の真ん中付近をしっかり持ち、早く回すと機関銃のような音、不規則に回すと鳴子のような音、管の上方を握って回すときつつきの鳴き声にもなる。