-身近な音具たち-
私たち人間は日常的に音を出して生きています。
声帯をふるわせて出す「声」という音で、
喜怒哀楽を表現したり、他人と交信したりしますし、
時には、舌打ちしたり、拍手したり、
指を鳴らしたり、地団駄踏んだりと、
身体のあちこちも使って音を出します。
それでも出せない音色や大きさや高さの音を鳴らしたい、
長く楽に鳴らし続けたい、複数同時に鳴らしたい…
という時に使うのが、音を鳴らすための道具「音具」です。
昨今は、携帯電話をはじめさまざまな電子機器で
好みの音を鳴らしたり聞いたりすることができますが、
運動会のピストルやホイッスル、目覚まし時計や鳩時計、
笛吹きケトル、でんでん太鼓、
踏切の警報やクラクション、サイレン、自転車のベル、
よさこい踊りの鳴子、祭囃子や盆踊り、読経の木魚や除夜の鐘も、
録音ではいささか興ざめです。
音楽室や音楽会では「楽器」と呼ばれる
音具が大活躍しています。
人間は音を出すだけでなく、
物理的な音からいろいろな意味や感覚を聞き取ります。
虫の音に秋を、風鈴に涼しさを、
クラクションやサイレンには危険を…。
とりわけ日本人は、雨風の音、葉音や生物の鳴き声など
自然界の音へのこだわりが強いようです。
このように、あらゆる音具には、
それらを生み出し、工夫・発展させながら
使い続けてきた人々の
さまざまな思い、生活様式や世界観、
美的価値観、歴史的・文化的背景
といったものが投影されています。
ここには、たまたま身近にあった音具たちをよせ集め、
さまざまな角度から眺められるように工夫してみました。
網羅的なものでも、体系的なものでもありませんが、
音楽はもちろん、美術・工芸、物理や生物、
地理や歴史、文化や民俗、
さまざまな角度からの「まなび」のたねとして
ご活用いただけたらと思います。
‐このサイトについて‐
凡例
■音具名
「現地でどう呼ばれているか」が確認できたものは
その名称とその発音に近いカタカナ表記を、
確認できなかったものについては一般名称を記しています。
■写真でさがす
MHS楽器分類法を意識して配列しています。
■地域名・国名:
一般的に「どこの音楽で用いられるか」で判断しています。
■製造国
確認できたものについては
その音具個体の製造国やメーカー名を記しています。
■素材や大きさ
多くは厳格に規格が定まっている訳ではありませんが、
目安とするために、
掲載写真の音具個体についてのデータを掲載しています。
■ききなし
「どう聞こえるか」を無理やり五十音で表現しようとした例です。
多分に主観的なものですが、
現地でのききなしがそのまま音具名に
なっているものもあります。
■動画
一部現地の演奏家によるものもありますが、
大半はあくまで「どのような音がするか」の
参考としていただくために独自に撮影したもので、
「音楽」の演奏ではありません。
また、音具によっては本来の鳴らし方や音色ではない場合があります。
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