図では A,B,C は各々 α,β,γ に対応する点。
京大(00後理1)

一般に複素数 z の虚数部分を Im(z) で表すことにする。
(1) Im((z-β)/(z-α)) > 0 とする。
1 - (z-β)/(z-α) = (β-α)/(z-α) より Im((β-α)/(z-α)) < 0. よって (β-α)/(z-α) ≠ 0 であり Im((z-α)/(β-α)) > 0 である。
逆に Im((z-α)/(β-α)) > 0 とすると、 Im((β-α)/(z-α)) < 0 となり (z-β)/(z-α) = 1 - (β-α)/(z-α) なので Im((z-β)/(z-α)) > 0 となる。
よって、求める範囲は Im((z-α)/(β-α)) > 0 となる部分である。
求める範囲は α と β を結ぶ直線を境界として α から β に向かって左側の部分である。 (境界線は含まない)。
  (増加を押す)

A,B,C は各々 α,β,γ に対応する点とする。 (1) で求めた領域を AB の左側ということにする。
(1) の議論をほとんどそのまま利用すると Im((z-β)/(z-α)) < 0 となる z は AB 右側にあり
Im((z-β)/(z-α)) = 0 となる z は直線 AB 上にあることがわかる。
(2) (z-α)(z-β)+(z-β)(z-γ)+(z-γ)(z-α) = 0 .... (*) とする。
z = α と仮定すると (z-β)(z-γ) = 0 つまり z = β または z = γ となり、 α, β, γ は互いに相異なるとの仮定に反する。
よって z ≠ α である。同様に z ≠ β 及び z ≠ γ を得る。
(*) の両辺を (z-γ)(z-α) や (z-β)(z-γ) で割って
(z-β)/(z-γ) + (z-β)/(z-α) + 1 = 0 .... (**1)
(z-α)/(z-γ) + 1 + (z-α)/(z-β) = 0 .... (**2) を得る
もし Im((z-β)/(z-γ)) = 0 と仮定すると (**1) より Im((z-β)/(z-α)) = 0 となる。このときは
z は β と γ を通る直線上にあり、z は α と β を通る直線上にある。
これは α, β, γ が同一直線上にないという仮定に反する。 よって Im((z-β)/(z-γ)) ≠ 0 である。
Im((z-β)/(z-γ)) > 0 とすると、(**1) より Im((z-β)/(z-α)) < 0 となり Im((z-α)/(z-β)) > 0 となる。
(**2) より Im((z-α)/(z-γ)) < 0 となり Im((z-γ)/(z-α)) > 0 となる。
つまり Im((z-β)/(z-γ)) > 0, Im((z-α)/(z-β)) > 0, Im((z-γ)/(z-α)) > 0 となる。
この場合は z は CB の左側、BA の左側, AC の左側にある。
(A,B,C が反時計回りのときは不可能、
A,B,C が時計回りのときは 僊BC の内部に z はある。)
Im((z-β)/(z-γ)) < 0 の時は同様に m((z-α)/(z-β)) < 0, Im((z-γ)/(z-α)) < 0 となる。
この場合は z は CB の右側、BA の右側, AC の右側にある。
(A,B,C が反時計回りのときは僊BC の内部に z はあり不可能、
A,B,C が時計回りのときは不可能である。)
以上より z は 僊BC の内部にある。
先ず C が AB の左側にあるときの証明を与える。

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