(1) |α| > 1 と仮定すると n ∞ のとき
|α|n ∞ で
|α|-n 0 であるので
|α|n - |α|-n ∞ となる。
|α|n - |α|-n ≤
|αn+α-n| なので n ∞
のとき |αn+α-n| ∞ となる。
これは、全ての自然数 n に対して |αn+α-n| < 2
であることに反する。
よって |α| ≤ 1 である。
次に |α| < 1 と仮定すると n ∞ のとき
|α|-n ∞ で
|α|n 0 であるので
|α|-n - |α|n ∞ となる。
|α|-n - |α|n ≤
|αn+α-n| なので n ∞
のとき |αn+α-n| ∞ となる。
これは、全ての自然数 n に対して |αn+α-n| < 2
であることに反する。
よって |α| ≥ 1 である。
以上より |α| = 1 がわかる。
(2) Ak = {z | z は長さが 1 で偏角が 60(k-1)°以上 60k°未満の複素数}
(k = 1,2,3,4,5,6) とおく。
このとき、長さが 1 の複素数は 6 個の集合
A1, A2, A3, A4, A5, A6
のいずれかに含まれる。
|α| = 1 なので α,α2, alpha;3,
α4, alpha;5, α6, alpha;7
の 7 個の複素数は皆長さが 1 である。
従って 1 ≤ s ≤ 6 なる整数 s と 1 ≤ p < q ≤ 7 なる整数の組 p, q で
αp と αq がともに As 含まれるものがある。
このときは αq-p の偏角を θ とおくと -60°< θ < 60°として
よい。
m = q-p とおくと m は自然数であり、αm は長さが 1 で偏角が
θ の複素数である。
よって am =
αm+α-m = 2cos θ > 1 となる。
(なぜなら、αm = cos θ + i sin θ,
α-m = cos θ - i sin θ であり、
-60°< θ < 60°より cos θ > 1/2 であるから)。
よって (2) は示された。
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