京大(04後理6) n を自然数とする。xy 平面ないの原点を中心とする 半径 n の円の内部と周を合わせたものを Cn であらわす。次の条件を (*) をみたす一辺の 長さが 1 の正方形の数を N(n) とする。 (*) 正方形の 4 頂点はすべて Cn に含まれ、 4 頂点の x および y 座標はすべて整数である。 このとき n ∞ のときの N(n)/n2 の極限値は π であることを示せ。 解答 4 頂点の x および y 座標はすべて整数である一辺の長さが 1 の正方形 の集まりを Ω とおく。 Ω に属する正方形は、 整数の組 k,m を用いて、頂点が (k,m),(k+1,m),(k+1,m+1),(k,m+1) の正方形としてあらわされる。 次のことがなりたつことは明らかである。 ただし n は自然数とする。 (0) xy 平面内の任意の点は Ω に属する正方形の一つには含まれる。 (1) Ω に属する異なる N 個の正方形の和集合の面積は N である。 (2) Ω に属する正方形でその4つの頂点が すべて Cn に含まれるとき その正方形は Cn に含まれる (3) 一辺の長さが 1 の正方形内の 2 点の距離は 以下である。 もちろん、その距離は 2 以下である。 (*) をみたす一辺の長さが 1 の正方形の和集合を Ln であらわすと次がわかる。 (4) Ln ⊆ Cn (5) Ln の面積は N(n) である。 (6) n ≥ 3 のとき Cn-2 ⊆ Ln これらを示すのは後で行うとして、これら使うと Cn-2 , Ln, Cn の面積の比較より π(n-2)2 ≤ N(n) ≤ πn2 を得る。これより n ∞ のときの N(n)/n2 の極限値は π であることがわかる。 最後に (4),(5),(6) を示そう。 (4) は (2) より、(5) は (1) より、各々明らかである。 (6) n ≥ 3 のときには P を Cn-2 の任意の点とする。このとき 原点 O と P との距離は n-2 以下である。 (0) より Ω に属する正方形で P を含むものがある。その1つを D とする。Q を D の任意の頂点とすると P と Q の距離は (3) より 2 以下である。 O と P との距離は n-2 以下であったので O と Q との距離は n 以下である。つまり D は Ln に含まれることがわかる。このことは Cn-2 が Ln に含まれていることを示している。 注意 (6) は (0),(3) より明らかでもいいのでは
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