(1) z = a + bi (ただし,a,b は実数で i は虚数単位とする) と表すと z = a - bi であり z の長さの平方は a2 + b2 である。
よって zz = a2 + b2 = |z|2 となる。 (|z| は z の長さをあらわす。)
従って z が単位円上にあるための必要十分条件は zz = 1 すなわち z = 1/z である。
(2) 一般に複素数 α, β に対して α + β = α + β , α - β = α - β , αβ = α β , (α/β) = α/ β   (ただし β ≠ 0) が成り立つ。
特に α,β が長さが 1 の複数のときには α - β = α - β = 1/α - 1/β = (β - α)/(αβ) となる。
さらに γ,δ も長さが 1 の複素数のときには
(α - β)(γ - δ) = ((β-α)/(αβ)((δ - γ)/(γδ) = (α - β)(γ - δ)/(αβγδ) となる。
以上より z1, z2, z3, z4 が単位円上にあるとき
w = ((z1-z3)(z2-z4)/ (z1z3z2z4))/ ((z1-z4)(z2-z3)/ (z1z4z2z3)) = (z1-z3)(z2-z4)/ ((z1-z4)(z2-z3)) = w となり w が実数であることがわかる。
(3) z1, z2, z3 が単位円上にあり、、w は実数とする。α = z1, β = z2, γ = z3, z = z4, v = z とおく。
w が実数なので w = w である。これより
(1/α-1/γ)(1/β-v)/((1/α-v)(1/β-1/γ) = (α-γ)(β-z)/((α-z)(β-γ)) を得る。
つまり (1/α-1/γ)(1/β-v)(α-z)(β-γ)) = (α-γ)(β-z)(1/α-v)(1/β-1/γ) を得る。
(α-γ)(β-γ) ≠ 0 なので両辺に αβγ/((α-γ)(β-γ)) をかけて
(1-βv)(α-z) = (β-z)(1-αv) を得る。変形して
α - z - αβv + βvz = β - βαv - z + αvz 即ち (β-α)vz = β-α を得る。
β-α ≠ 0 なので vz = 1 をえる。つまり z = v = 1/z をえる。
よって z4 は単位円上にある。

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