名古屋大学前期(理2)

a, b, c を実数とし、実数の組 (x,y,z) に関する方程式
   
(i)  
x + y - 2z = 3a
2x - y - z = 3b
x - 5y + 4z = 3c
 および (ii) x2 + y2 + z2 = 1
を考える。

(1) 方程式 (i) が解を持つための a, b,c の条件を求めよ。
   またそのときの方程式 (i) の解 (x,y,z) を求めよ。

(2) 方程式 (i) と (ii) が唯一つの共通解をもつとき、
   その共通解 (x,y,z) は方程式 2x2+2xy+2y2 = 1 を みたすことを示せ。
(1) (i) を普通に解くと
 x + y - 2z = 3a と 2x - y - z = 3b より x - z = a + b つまり x = z + a + b
 x + y - 2z = 3a と x = z + a + b より a + b + y - z = 3a つまり y = z + 2a - b
x - 5y + 4z = 3c に x = z + a + b と y = z + 2a - b を代入して 6b - 9a = 3c つまり 3a - 2b + c = 0 を得る。
 このとき解は (x,y,z) = (t+a+b,t+2a-b,t) (t は任意の数) として与えられる。

(2) 方程式 (i) と (ii) が唯一つの共通解を持つためには t に関する方程式
   (iii)   (t+a+b)2 + (t+2a-b)2 + t2 = 1
が唯一つの解を持てばよい。
上の方程式は変形して
  3t2 + 6at + 5a2-2ab+2b2 - 1 = 0
判別式/4 = 0 より
  9a2 - 3(5a2-2ab+2b2 - 1) = 0
整頓して
  2a2 - 2ab + 2b2 - 1 = 0
このときの (iii) の共通解は -a である。
よって (i) と (ii) の唯一つの共通解は (x,y,z) = (b,a-b,-a) となる。このとき
  2x2+2xy+2y2 = 2b2 + 2b(a-b) + 2(a-b)2 2a2 - 2ab + 2b2 = 1 となる。


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