複素数平面において
z を 1/z 移す変換を考える。
(0 は無限遠に移し、無限遠は 0 に移すと考える)
複素数 a を中心とし半径 r の円は方程式
(z - a)(z - a) = r2 つまり
zz - az - az + aa - r2 = 0 で表される。
この方程式において
z を 1/z にかえて zz をかけると
1 - az - az + (aa - r2) zz = 0 となる。
s = aa - r2 とおく。
始めの円が 0 を通らないときは s ≠ 0 である。
そのときは、新たに得られた方程式は
(z - a/s)(z - a/s) = aa/(s2) - 1/s = (r/s)2 つまり
これは中心が a/s で半径が r/s の円を表す。
(r/s が負のときは -r/s を半径と思って下さい。)

実数部分が 1 なる複素数のなす直線、つまり
z + z = 2 で表される 直線は
中心が 1/2 で半径が 1/2 に移る。
実数部分が 2 なる複素数のなす直線、つまり
z + z = 4 で表される 直線は
中心が 1/4 で半径が 1/4 に移る。

左の図において色が同じ二つの円は互いに
この変換で互いに移りあっている。

C(a,r) で複素数 a を中心とし
半径 r の円を表すときに
(r が負のときは半径が -r と思う)
これが原点を通らないときは
上記の変換で C(a/s,r/s) に移る。
ここで s = aa - r2 とする。
C(a/s,r/s) を φ(C(a,r)) で表すことにする。

n を整数とし i を虚数単位とするとき
φ(C(3/2+ni,1/2)) = C((3+2ni)/(2(2+n2)),1/(2(2+n2)))
これは直径が 1/(2+n2) の円になっている。

空色の大きい円は C(3/2+i,1/2) であり
空色の小さい円は直径 1/3 の円である。
 

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