西田尚史さんの問題の発展
図において大きい円は直径 1 の円とし
白い円は大円に接する直径 1/2 の円とする。
大円と白い円に接し、互いにする
同じ直径の円を二つかき
(空色の大き目の二つの円)
これらの円の隙間に図のように円を順次入れていく。
それらの円の直径の逆数に 4 をかけると
整数であることを示せ。

実際大円を中心が (1/2,0) で半径が 1/2 の円とし
白い円を中心が  (1/4,0) で半径が 1/4 の円とする
このとき
空色の大きい方の円の一つは
 中心が (2/3,2/9) で半径が 2/9 の円である。
次に大きい空色の円の一つは
 中心が (6/17,6/17) で半径が 2/17 の円である。

解説は後半にあります。

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解説
前と同じ記号を使うことにする。
T1 の各円を虚数軸方向に 1/2 ずらした円全体のな集合を T2 とする。
つまり 中心が x+yi で半径が r の円が T1 に属する円のときのみ x+(y+1/2)i で半径が r の円が T2 に属するとする。
題意の円の集合は { C | T2 ∋ C } である。
前と同じようにして x, y を実数として 中心が x'+y'i で半径が r の円 C が T2 に属する円のとき
2α' = 1/r, a' = x'/r, b' = y'/r とおき a'2 + b'2 - 1 = 4α'β' を満たすように β' を定めるとき
C は中心が a'/(2β')+ b'/(2β')i で半径が 1/(2β') の円である。
x'+y'i = x+(y+1/2)i とおくとき中心が x+yi で半径が r の円は T1 に属する円で ある。
2α = 1/r, a = x/r, b = y/r とおき a2 + b2 - 1 = 4αβ を満たすように β を定めるとき
(2α,a+bi,2β) は U に属するデータである。従って a,b,α,β は全て 整数である。
x' = x, y' = y+1/2 なので α' = α, a' = a, b' = b+α である。
4αβ' = 4α'β' = a'2 + b'2 - 1 = a2 + (b+α)2 - 1 = a2 + b2 - 1 + 2αb + α2 = 4αβ + 2αb + α2 なので
4β' = 4β + 2b + α を得る。よって 4β' は整数である。


U に属するデータ (2α,a+bi.2β) に対して上記のような (2α',a'+b'i,2β') を (2α,a+bi,2β) を加工したデータということにする。このとき
任意の整数 n に対して (2,3+2ni,4+2n2) は U に属するデータである。これを加工して
(2,3+(2n+1)i,2n2+2n+9/2) なるデータを得る。
これは中心が (3/(2n2+2n+9/2),(2n+1)/(2n2+2n+9/2)) で半径が 1/(2n2+2n+9/2) の円は全て題意にそう円であることを意味している。