大阪大学前期(理4)
実数 r, a に対し数列 {xn} を
x1 = a
xn+1 = rxn(1-xn) (n = 1,2, 3, ...)
で定める。
(1) すべての n について xn = a となる a をもとめよ。
(2) x2 ≠ a で x3 = a となる a の個数を求めよ。
(3) 0 ≤ a ≤ 1 なるすべて a について 0 ≤ xn ≤ 1
(n = 1,2, 3, ...) がなりたつような r の範囲をもとめよ。
ヒント
(1) a = ra(1-a) が成り立つ a を求めればよい。(a = 0 と r ≠ 0 のときは a = 1 - 1/r)
(r = 0 または r = 1 のとき 0 のみ、それ以外では 0 と 1 - 1/r)
(2) b = ra(1-a) とおくとき b ≠ a で a = rb(1-b) が成り立つ a の個数を求めればよい。
r = 0 のときは、そのような a は存在しない。
r ≠ 0 とする。
b = ra(1-a) , a = rb(1-b) で b ≠ a とする。このとき
b-a = r(b-a)(b+a-1) で b - a ≠ 0 より
1 = r(b+a-1) = r(ra(1-a)+a-1) = r(1-a)(ra-1) をえる。
逆に 1 = r(1-a)(ra-1) として b = ra(1-a) とおくと
r(b+a-1) = r(ra(1-a)+a-1) = r(1-a)(ra-1) = 1
b-a = r(b-a)(b+a-1) = -rb(1-b) + ra(1-a) = -rb(1-b) + b となり
a = rb(1-b) となる。
1 = r(1-a)(ra-1) で b = ra(1-a) としたとき b = a となったとする。
a = 0 のとき r = -1 であり 1 = r(1-a)(ra-1) を満たす a は 0 のみ
a ≠ 0 のとき 1 = r(1-a) である。ra = 2 をえて r = 3, a = 2/3 をえる。
r = 3 のとき 1 = r(1-a)(ra-1) ( = 3(1-a)(3a-1)) の解は 2/3 のみ
以上より
r = -1, 0, 3 のときは求める個数は 0 であり
また r ≠ 0 かつ r ≠ 3 のとき、方程式 r(x-1)(rx-1) + 1 = 0 の解の個数がとめる個数である。
r < -1 のとき 2 個
-1 ≤ 0 ≤ 3 のとき 0 個
3 < r のとき 2 個
(3) f(x) = rx(1-x) とおくとき 0 ≤ x ≤1 のときいつも 0 ≤ f(x) ≤ 1 が成り立つ条件を
求めればよい。
0 ≤ r ≤ 4 である。
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