発展問題

(2) γnβ1-n + αnγ1-n + βnα1-n ≥ α + β + γ

が n が正のとき成り立つときを n に関する数学的帰納法で示そう。
(n が正のときなりたてば α, β, γ の役割を入れ換えて n が負のときも成り立つことがわかる。)

n = 1 のときは明らかに成り立つ。
k ≥ 1 として 1 ≤ n ≤ k のとき成り立つと仮定して n = k+1 のときも成り立つ ことを示す。

Case 1 k が奇数のとき k = 2m-1 となる自然数 m が存在する。
1 ≤ m ≤ k であるので、帰納法の仮定より

 γmβ1-m + αmγ1-m + βmα1-m ≥ α + β + γ

が成り立っている。n = k+1 = 2m, (1-n)+1 = 1-k = 2(1-m) に注目して、シュワルツを使って

 (γnβ1-n + αnγ1-n + βnα1-n)(β + γ + α) ≥ (γmβ1-m + αmγ1-m + βmα1-m)2

従って、帰納法の仮定と合わせて

 (γnβ1-n + αnγ1-n + βnα1-n)(β + γ + α) ≥ (α + β + γ)2

を得る。これより、このときは求める結果を得る。

Case 1 k が偶数のとき k = 2m となる自然数 m が存在する。
1 ≤ m+1 ≤ k であるので、帰納法の仮定より

 γm+1βm + αm+1γm + βm+1αm ≥ α + β + γ

が成り立っている。n+1 = k+2 = 2(m+1), 1-n = -k = 2(-m) に注目して、シュワルツを使って

 (γnβ1-n + αnγ1-n + βnα1-n)(γ + α + β) ≥ (γm+1βm + αm+1γ-m + βm+1α-m)2

従って、帰納法の仮定と合わせて

 (γnβ1-n + αnγ1-n + βnα1-n)(β + γ + α) ≥ (α + β + γ)2

を得る。これより、このときも求める結果を得る。

以上より証明が完了した。

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