「アリ地獄」というくらいですから、一般にアリジゴクの主要な餌はアリです。けれど同じ種でも、生息場所や幼虫の齢によって餌の種類と割合は異なってきます。
アリへの依存度は若齢ほど強く、3齢幼虫のような大形になると、ダンゴムシやクモ、各種甲虫類など多種類の節足動物を捕獲します。普通、大きな捕食者は大形の餌動物を捕獲するのですが、おもしろいことにアリジゴクでは、大きくなったからといって小形の餌の捕獲を止めずに、大きな餌も小さな餌も捕獲します。すり鉢の底で待っていると、大きな餌も小さな餌も落ちてきます。また、大アゴの先端を差し込んで餌の体液を吸うという摂食法をとっているので、小形の餌でもうまく処理します。
アリジゴク(クロコウスバカゲロウ3齢幼虫)
の餌の調査結果(京都府箱石浜)
分類群 |
割合(%) |
アリ |
39 |
カメムシ目 |
7 |
コウチュウ目 |
10 |
バッタ目 |
5 |
トビムシ目 |
1 |
クモ |
10 |
ダンゴムシ |
21 |
その他 |
7 |
合計 |
100 |