補題1 a, b を |a| = |b| = 1, a ≠ b なる複素数とする。
複素数 z が複素数平面において
a と b を結ぶ直線上にあるための条件は
 z + abz = a + b
が成り立つことである。

補題1の証明
z が a と b を結ぶ直線上にあるとすると
 z = ta + (1-t)b
をみたす実数 t が存在する。
aa = 1, bb = 1, z = t a + (1-t) b
に注意すると
 z + abz = a + b
を得る。

逆に複素数 z が
 z + abz = a + b
を満たしたとする。このとき
  t = (z - b)/(a - b)
とおくと z - b = a - abz より
 t = (1/a - z/(ab))/(1/a - 1/b) = (b - z)/(b - a) = t
これは t が実数であることを意味している。
よって z は a と b を結ぶ直線上にある

補題2の証明は略  

補題3 a, b を |a| = |b| = 1, a ≠ b , 1 + ab ≠ 0 なる複素数とする。
a と b を結ぶ直線上と実軸との交点は
  (a+b)/(1+ab)
である。

 
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補題3の証明
t = (a + b)/(1 + ab) とおくと
  t = (1/a + 1/b)/(1 + 1/(ab)) = (b + a)/(ab + 1) = t
である。よって t は実数であり、また
 t + abt = a + b
がなりたつので
t は a と b を結ぶ直線上にある。