a, b, c を正の数として, p, q を自然数とするとき

ap+q + bp+q + cp+q ≥ apbq + bpcq + cpaq

である。

上の主張が正しいことを証明しよう。

正の数 a, b, c と 2 以上の自然数 n をとり、固定しておく。
0 ≤ k ≤ n なる整数 k に対して
  αk = an-kbk + bn-kck + cn-kak  とおく。(αn = α0 である。)
α0, α1, α2, ... , αn-1 のうちの 最大のものを αm とおく。
α0 ≥ αm (実は α0 = αm) を示せばよい。
α0 < αm と仮定して矛盾を導こう。

n ≥ 2m のとき
α0α2m = (an + bn + cn) (an-2mb2m + bn-2mc2m + cn-2ma2m )
  ≥ (an-mbm + bn-mcm + cn-mam)2 = αm2
を得る。(シュワルツの不等式より)
これは α0 < αm, α2m ≤ αm に反する。

n < 2m のとき
αnα2m-n = (bn + cn + an) (a2n-2mb2m-n + b2n-2mc2m-n + c2n-2ma2m-n )
  ≥ (an-mbm + bn-mcm + cn-mam)2 = αm2
を得る。(シュワルツの不等式より)
これは αn = α0 < αm, α2m-n ≤ αm に反する。

以上より α0 ≥ αm が示された。

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s ≥ 2 で a1, a2, .... , as を正の数として p, q を自然数とするとき
a1p+q + a2p+q + .... + asp+q ≥ a1pa2q + a2pa3q + ... + aspa1q  である。