西田尚史さんの問題の解答編(3)

z を 1/z 移す変換を考える。
(0 は無限遠に移し、無限遠は 0 に移すと考える)
x, y を実数として r を正の実数とする。
複素数 w=x+yi を中心とし半径 r の円は方程式は
(z - w)(z - w) = r2 つまり
zz - wz - wz + ww - r2 = 0 で表される。
この方程式において
z を 1/z にかえて zz をかけると
1 - wz - wz + (ww - r2) zz = 0 となる。
s = ww - r2 とおく。
始めの円が 0 を通らないときは s ≠ 0 である。
そのときは、新たに得られた方程式は
(z - a/s)(z - a/s) = aa/(s2) - 1/s = (r/s)2 となる。
s > 0 のときは、 これは中心が w/s ( = x/s + yi/s) で半径が r/s の円を表す。
x+yi を中心とし半径 r の円 C が T1 のメンバーのときは
1 ≤ x-r < x+r ≤ 2 である。特に 1 < x で 0 < r ≤ 1/2 であるので
s = x2+y2-r2 > 0 である。
{ (1/r,x/r+yi/r,s/r) |
     x+yi を中心とし半径 r の円が T1 の元で s = x2+y2-r2 }
なる集合を U とおくことにする。
今までと同じ記号のもと
2α = 1/r, a = x/r, b = y/r, 2β = s/r とおくとき
r = 1/(2α), x = a/(2α), y = b/(2α), r/s = 1/(2β), x/s = a/(2β), y/s = b/(2β) であり
a2 + b2 - 1 = (x2 + y2 - r2)/r2 = s/r2 = (1/r)(s/r) = 4αβ である。



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