西田尚史さんの問題の解答編(5)

U についての考察を続けよう。
U ∋ (2α,a+bi,2β) のとき

(あ) a2 + b2 - 1 = 4αβ であり、α > 0, β > 0 である。

a/(2α)+bi/(2α) を中心として半径 1/(2α) の円が T1 に属して いるので
1 ≤ a/(2α) - 1/(2α) < a/(2α) + 1/(2α) ≤ 2 である。 これより
2α ≤ a-1 かつ a+1 ≤ 4α となる。これから 3 ≤ a, 1 ≤ α を得る。つまり

(い) 2α ≤ a-1 かつ a+1 ≤ 4α, 3 ≤ a, 1 ≤ α である。

図形の実数軸に関する対称性より、次を得る。

(う) U ∋ (2α,a-bi,2β) である。

T1 に属する円を、n を整数として 2ni だけ平行移動した円も T1 に属する。つまり
a/(2α)+bi/(2α)+ni を中心として半径 1/(2α) の円も T1 に属して いる。
対応する U のデータは
(2α, a+(b+2nα),2β') の形をしている。
a2+(b+2nα)2-1 = a2+b2-1+4nbα+4n2α2 = 4αβ+4nbα+4n2α2
      = 2α(2β+2nb+2n2α) なので
2β' = 2β+2nb+2n2α となる。つまり

(え) 任意の整数 n に対して U ∋ (2α, a+(b+2nα)i,2(β+nb+n2α)) である。


次に続く
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