「デリー製ハルモニウムの製作工程」
ハルモニウムとは
ハルモニウムは、鞴から空気を送り込むことによって、金属製のリード が振動して発音する、気鳴楽器です。
1842年にフランスで誕生した楽器ですが、19世紀後半にインドに伝播した後、 鞴を外付けにし、左手で鞴を動かし、右手で演奏できる小型ハルモニウムに改良 されました。またストップ(音栓)は、高音域・中音域・低音域のストップの他 に、ドローン用のストップを備えていることも、インド製ハルモニウムの特徴で す。演奏の度に調律を行う必要がなく、携帯性にも優れていることから、古典声 楽や宗教歌謡の伴奏楽器として、現在も南アジアで広く使用されています。
ハルモニウムの製作過程の特徴
ハルモニウム製作は、コルカタ、ムンバイ、デリーの3都市で発展し、中でも、デリーのハルモニウム産業は、近年欧米への輸出が増加している成長産業です。
チーク材が使われる他都市の製品に比べ、デリーの製品ではパイン材が使用され、37~45鍵の小型鍵盤も、スプリングを用いる比較的簡易な仕組みになっています。また、デリーでは真鍮製のリードも各工房で製造しています。
動画資料について
デリー製ハルモニウムの製作工程 2008年8月、岡田恵美が取材・撮影・編集。
協力:ビーナ工房 Bina Musical Store
ハルモニウムの製作工程動画
ハルモニウムの製作 | ハルモニウムの作業工程は、
1)外箱と鞴、2)ストップ盤、3)リー ド盤、4)鍵盤
に大きく分けられます。 各製作工程は分業化され、熟練した専門の職人によって作業が進められます。 |